ねぇ、ユウ、今から聞くことは全部気にしないでね。うん、私少し疲れてるみたいで。そうそう、コムイって本当にひどいよね。2回も連続で長期任務入れたんだよ!? もうホームでゆっくり過ごせるなんて半年ぶりだよ。でも、またすぐ任務だ。いや、でも仕方のないことだよね。エクソシストがどんどん少なくなってる訳だし。残された私たちが一番頑張らなきゃいけないんだよね。うん、分かってる。ちゃんと分かってるよ。

でもね、本当にもう辛くて。いや、辛いのは私だけじゃないって分かってるんだけどさ。アレンだってリナリーだってラビだって。もちろんユウだって。たくさん、たくさん傷ついてるのは分かってるんだけどさ。この半年で辛いことが多すぎて。多くの人が亡くなっていったの。最後まで頑張り続けてくれたファインダー。アクマにされてしまった人たち。その人たちを想い続けてきた人たち。全部全部私が守らなきゃいけないのに。全員が私に助けを求めているのに。私しか出来ないことなのに! 私は守りきれないし、救いきれない。なんて私の力は弱いんだろうって。なんで何も出来ないんだろうって!

いつも、考えてた。ごめん、こんなこと聞かされるの嫌だよね。うん、嫌だったらどっかに行っていいよ。本当にごめん。でもユウに話したかったんだ。昔からユウに何か嫌なことぶちまければ気持が楽になったの。はは、本当に昔から迷惑かけてばっかだなぁ。でも、最後に、これだけ言わして。

「ずっと、ずっと好きだった」

ありがとう、ユウ。きっとユウとこんな風に話せるのはきっと最後だよ。え? どうしてって言われても…。あれ、もしかしてコムイから何も聞いてない? あ、そうだったんだ。あのね、私の次の任務先、江戸なんだ。千年伯爵のところへ行ってくるよ。これは私から希望したことなの。コムイは止めてくれたけど、私はどうしても行きたかった。ユウと違って私は弱いでしょ。だから、私は、私みたいなセカンドはもう生きられる時間がない。だから最後に自分の力で、ずっと憎んで恨んできた千年伯爵のところへ行きたいの。じゃあ、ここまで聞いてくれてありがとう。もう私、行くね。

「おい、ちょっと待てよ」
「…ユウ?…」
「自分だけベラベラ喋っといて、俺が話せる時間はゼロか?ふざけんな、俺にも言わせろ」

俺もずっと好きだった。だから、絶対生きて帰ってこい。俺が駆け付けるから。俺が守ってやるから。2人でもう一度ホームへ帰ってこよう、絶対にだ。


気にしないで、ちょっと大きめのヒトリゴトだから

(ユウ、ありがとう。でも私、時々思うんだ。私たちがエクソシストじゃなかったら、もっと笑えてたかなって) (それでも、俺らはエクソシストだろ)


2012.07.19
ヒロインもセカンドだけど、弱いので早く寿命を消費してしまったという設定
分かりにくい感じになってしまったorz
企画サイト「貴方に逢いたくて」様提出