一緒にいれるとき、
布団は一緒に入る。
したいときはする。
ご飯も一緒に食べる。
だけど。
「それでねー、今日はミランダがねー」
「ー!!!」
食事はいつも二人で取ると決まっているわけではない。
ないから、こうやって邪魔が入る。
「ー、久しぶりだな、相変わらず胸ちっちぇえな!!!」
ティモシーは後ろからに抱きついて胸を揉む。
「あははー、そうだねー、クラウド元帥には程遠いよねーw」
もなぜか笑って許している。
(てかティモシーって、神田の前で・・・;)と一部は思うが、
(まあ、だし、良いのか・・・)と思う一部もいる←
「でも、あんだけでかかったら肩こるんじゃね???ぐらいが良いって」
え、これフォローされてる???
は笑顔を固くする。
「ティモシー!!!ごめんなさいね、さん、すごい失礼なことを!!!さ、行くわよ」
ティモシーは彼の専属家庭教師であるエミリアに連行されてしまった。
彼女もすごい胸おっきいよなー、いいなーなんては親父目線でみていた。
「あ、そうそう、それで、ミランダがさー」
はまるで頓着していないように話の続きを始める。
神田も、顔色変えることなくそばを食べている。
(あの二人って・・・冷めてる???)
一同は思う。
普通なら、彼女の胸を目の前でもまれて批評されたら彼氏は怒るものではないか。
ティモシーに神田が本気でキレてもあれだけど。
(まあ、だし、良いのか・・・)
と結局のところこれで落ち着くのである。
「私たち付き合ってるの知らなくて。
もしかしたら、恋人っぽくないのかもーって思って。」
「やることやってんだからそれでいいだろ」
「うーん、神田はそれで良いかもしれないけどさー、デートとかしたり、
一日一緒にいたり、したいよねー」
「できるわけねえだろ。第一てめえと一日一緒にいたりなんかしたら疲れる」
「それ彼氏の台詞じゃないw」
は笑う。
彼氏冷たーいとか笑って言うから、それほど堪えてもないんだろう、
と、神田は思っていた。
は普通だった。
夜も一緒に寝るし、したいときはするし、明日も一緒にご飯を食べる。
そして他愛のない話をして、任務があるときは任務へ行って、
任務がないときはお互いにお互いの時間を過ごして、そんな日常だ。
「はそれで良いの!?」
リナリーはなぜか怒ったように言う。
「良いんじゃない???続いてるし」
「これじゃマンネリ化よ!!!なんで付き合ってるのさ」
「好きだから。それは変わらないよ、ずっと。」
「神田は好きじゃないかも・・・とか不安にならないの???」
「好きだから・・・一緒に寝るし、ご飯食べてくれると思う。」
「男はね、誰でもいいのよ」
「そ、そうなの???」
せっかく付き合ってるんだからフレッシュさを満喫しなきゃ!!!
というのがリナリーの意見だ。
「でも一緒にいたら飽きるし、疲れるって言うよ」
「ほんとに愛されてる???;」
「神田はね、不器用だから。無愛想だし。」
「も意外と放任主義なところあるからなァ・・・」
神田は私のこんなところが良くて付き合ってるのかもね。
とは思う。
「ねえ、神田」
いつものようにご飯を食べる。
いつものようには話す。
「他に好きな子作っても良いんだよ」
「は?」
盛大に神田の眉間にしわが寄った。
はオムライスを一口頬ぼる。
「あ、でも、私のこと振らないで」
意味が分からない。
「私が立ち直るまで待ってからにしてね」
「くだらねえ」
「きっとね、神田の幸せを祝えるくらいになるからさ」
「」
神田は食べかけのそばの箸を置いた。
低い声で名前を呼ぶ。
「もし他に男作ってみろ。」
鋭い瞳で見つめられる。
は一瞬で動けなくなった。
「俺がお前を殺してやる。」
その男ではなく、他の誰でもなく、を殺すのだと、彼は言う。
食堂なのに、みんないるのに、こんな話で、泣きそうになる。
私、すごい愛されてるんだと思う。
全然愛の言葉に聞こえない物騒な言葉だけど。
「俺はもう、あの人の為に生きてるわけじゃねえんだ。」
それくらい分かれ、バカ。
そう言って、神田は箸を持ち直した。
一緒にいれるとき、
布団は一緒に入る。
したいときはする。
ご飯も一緒に食べる。
それが当たり前になって、当たり前だと見えなくなることがあって不安になったりする。
それを繰り返して、私たちはこれからも過ごして行くんだろう。
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貴方に逢いたくて参加作品。
お題:「誰の為に生きてると思ってんだ」
2011/2/25